【114回医師国家試験】6年次在籍者数で見る真の合格率ランキング

2020/03/17
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114回医師国家試験の合格発表が行われましたね。合格された皆様、

本当におめでとうございます。
自分も2年後には…と思うと身が引き締まる思いです。

全体としては以下のような結果だったようです。

 合格者数:9,341人(新卒8,583人)
 合格率:92.1%(新卒94.9%)


さて、国試の結果が出ると話題になるのが大学別の合格率

自分の中ではこの時期の恒例行事になりつつありますが、114回医師国家試験についても新卒の“真の医師国家試験合格率ランキング”を作成したので紹介したいと思います。


目次
 1. 何が”真”なのか?
 2. 利用したデータについて
 3. 真の医師国家試験合格率の一覧
 4. 真の医師国家試験合格率ランキング
 5. まとめ

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1. 何が”真”なのか?


医師国家試験の合格発表では個人の合否とは別に大学別の合格率が発表され、「合格率1位は○○大学」などと報道されたりもします。

今回、この合格率(新卒)をランキング形式にしてツイートしたところ、多くの反響がありました↓



ですが、この合格率をよくよく見てみると、

 合格者数/受験者数×100

なんです。分母が受験者数。

大学によっては国家試験前の卒業試験を厳しくしてこの受験者数を減らすことで合格率を上げているなんていうのは医学生ならよく耳にする話です。そうだとすると、この合格率に何の意味があるんでしょうか…


大学別に比較する際の一つの指標としては「合格者数/出願者数」があります。しかし、卒業試験の結果が出願前に出る大学もあり、そういった大学では出願者数自体が絞られていることになります。

卒業試験の影響をより排除するには「合格者数/6年次在籍者数」が最も良い指標だと考えられます(6年生の中に国家試験の受験を考えていない人がいた場合は誤差になりますが)。

したがって、この「合格者数/6年次在籍者数」を真の合格率として医師国家試験合格率ランキングを作成しました。

さらっと書きましたが、大学別の6年次在籍者数一覧ってどこを探しても見当たらなくて集めるのに苦労しました…(汗)


2. 利用したデータについて


今回利用したデータの出典を以下に示します。

・114回医師国家試験情報厚生労働省 第114回医師国家試験の学校別合格者状況

・6年次在籍者数大学ポートレート、各大学HP(多くが2019年5月時点、一部2019年4月時点での人数です)

※大学によっては6年次在籍者数が公表されていないところもあります。

※大学ポートレートと大学HPで差異があった場合には後者を採用しています。大学ポートレートのみでしか在籍者数を確認できない大学では、実際の在籍者数と異なる場合があります。

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3. 真の医師国家試験合格率の一覧


各医学部の6年次在籍者数、国家試験出願者数、受験者数、合格者数、一般的な合格率、真の合格率を一覧にしたものを示します。国立大学は青公立大学は緑私立大学は赤で網掛けしています。

114国家試験1.png114国家試験2.png114国家試験3.png114国家試験4.png

定義からして在籍者数 ≧ 出願者数 ≧ 受験者数な訳ですが、在籍者数→出願者数で減少している大学、出願者数→受験者数で減少している大学(そしてその両方の大学)があることがわかります。

在籍者数と受験者数の差が大きい大学は私立に多いですが、国立でもないわけではないようです。最も差の大きな岩手医科大学では34人差で、一般的な合格率と真の合格率にも20%以上の差が生じています。

また、在籍者数が公開されている大学全体での真の合格率は90.6%になりました(新卒の一般的な合格率は冒頭に書いた通り94.9%)。


4. 真の医師国家試験合格率ランキング


それでは大学別の真の医師国家試験合格率をランキング形式にしてみます。

在籍者数を100%として、合格率低下の原因をわかりやすくするため、国試合格者数を水色不合格者数を橙色未受験者を紫色で色分けしてグラフ化してみました。なお、未受験者の出願の有無はここでは重要でないと判断し区別していません。

114国家試験ランキング_真1.png114国家試験ランキング_真2.png114国家試験ランキング_真3.png114国家試験ランキング_真4.png
※6年次在籍者数非公開の大学は下部にまとめて出願者数に対する合格率で表記しています。

一般的な合格率ランキングと比べると、上位の顔ぶれが少し変わり、下位の赤色の傾向が強くなりました。また、下位の大学ほど未受験者(紫色)が多くなっていることがわかります。


5. まとめ


114回医師国家試験について大学別の6年次在籍者数に対する合格率ランキングを紹介しました。

こうして見ると、対受験者数で表される一般的な合格率(みせかけの合格率)には非常に違和感を覚えます。合格率をアピールポイントにするような大学では、卒業試験等による過剰な国家試験受験資格の剥奪にもつながりかねないのではないでしょうか?

今後、より意味のある指標で評価や議論がなされることを期待します。


国試合格率以外にも各医学部の進級難易度や入学時の年齢分布などをまとめています。こちらから記事一覧に飛べます↓


過去の合格率ランキングはこちら↓


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この記事へのコメント

  • いがくおんな

    統計ありがとうございます。大変助かります
    女子医大生ですが今年の在籍数は106です
    ご参考になれば幸いです
    2020年03月17日 12:24
  • 谷町

    >国立でもないわけではないようです。最も差の大きな岩手医科大学では

    岩手医大は私立ですよ
    2020年03月17日 13:01
  • しーちきん

    >いがくおんなさん

    女子医大の在籍者数の情報ありがとうございます。ぜひ反映したいと思うのですが、もし引用元として書けそうな公開資料がありましたら教えていただけますと助かります。
    2020年03月17日 14:22
  • しーちきん

    >谷町さん
    ご指摘ありがとうございます。岩手医大が私立なのは存じていましたが、本文が誤解をまねく書き方になっていました。訂正させていただきます。
    2020年03月17日 14:25
  • XXR@兵庫医大

    こんにちは

    いろいろな大学のデータが見れてとても面白かったです!
    兵庫医大所属の人間ですが個人情報もあるので証拠となるデータは出せませんが参考までに

    在籍は4月の段階で120人、1名休学でした。

    11月の段階で留年が5人、留年年数を超えたことによる放校が2名だったため出願の人数は113名となっています。ここには休学も含みます。

    その後1月に追加で2名留年になったため受験者は111名となりました。

    どこの大学でも受験者を減らして合格率を上げているのは面白いですね
    2020年03月17日 20:48
  • しーちきん

    >XXR@兵庫医大さん
    ご覧いただき、また、兵庫医大に関する詳しい情報ありがとうございます。留年が決まる段階が1つではないということに驚きました…。

    他大学の事情を詳しく聞く機会がないので非常に参考になりました!
    2020年03月17日 22:33
  • XXR@兵庫医大

    確かにうちの大学では段階を踏んでますね。

    11月に卒業試験がありここで卒業決定が約半分、保留が残り半分、即留年が数人になります。

    卒業決定組はあとはのんびり各自の勉強をして国試に臨みます

    保留組は有料の勉強合宿に強制ご招待となり、その後1月に卒業試験の再試験がありそこで卒業決定か留年かが決まります

    うちの大学は5→6の進級にも総合試験がありそこでクラス分けをして上のクラスに入れば一年間ほぼ大学に行かずに好きなことができます
    一方、真ん中のクラスは毎週テストと解説講義に参加する必要があり、下のクラスはテストと解説にプラスして補習授業と有料の合宿に強制ご招待となりますね
    2020年03月18日 15:46
  • しーちきん

    >XXR@兵庫医大さん
    総合試験、毎週のテスト、卒業保留だと勉強合宿ですか…。すべて国試対策につながるのであれば手厚い(?)ですね。上位の人は1年好きに過ごせるというのはうらやましいです。

    うちの大学は6年生の秋まで実習があるので全然違っていて驚きました(汗)
    2020年03月18日 22:23
  • たぬき

    棒グラフの原点は0であるべきだと思います。
    横向きだったとしてもです。

    他者の別記事ではありますが、https://dot.asahi.com/wa/2020021300067.html の志願者数グラフも原点をいじっているせいで、「以前と比べて半分になっているのか」と印象操作っぽくなっています。

    2020年03月25日 16:13
  • しーちきん

    >たぬきさん
    ご意見ありがとうございます。強調したかったのは不合格者と未受験者の割合であり、上位校でも見やすいように記事のようなグラフにさせていただいています。横軸の原点をゼロにして「~」等の記号で省略を示すべきなのかもしれませんが、ご理解いただけますと幸いです。
    2020年03月25日 16:54