【新型コロナウイルス】東京都のPCR検査数・陽性率・年代別感染者数の推移【COVID-19】

2020/05/08

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関して、東京都の感染者数が日々報道されています。

しかし、PCRの検査数自体が日々変動しているにも関わらずそちらの数値は(なぜか)報道されないため、感染の拡大・収束の状況が非常に見えにくくなっているように感じます。

また、「高齢者は感染しやすい」「若者は特に外出自粛を」など年代に関わるメッセージも多く、年代別の感染者数推移も気になるところです。


PCR検査数、陽性者数(=感染者数)および感染者の属性(性別・年代・居住地など)に関しての情報は東京都から発表されていて毎日更新されています↓


このデータを使って、感染の拡大・収束の目安になるPCRの陽性率ならびに年代別の感染者数の推移をグラフ化してみたので紹介します。


※2020/5/8より東京都から陽性率が公表されることになりました。本記事の陽性率は仮定をおいて求めた概算値ですので、正式な数値はこちらからご確認ください。


目次
 1. PCR検査数と陽性率に関する用語の整理
 2. PCR検査数および陽性者数の推移
 3. PCR検査の陽性率推移
 4. 年齢別の感染者数推移
 5. まとめ

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1. PCR検査数と陽性率に関する用語の整理


PCR検査数


報道や分析を見ていると「PCR検査数」と言ったときにそれが指すものが人によってバラバラで非常に誤解が生じやすくなっています。

この原因の一部に東京都から発表されるデータの定義が少し込み入っていてわかりにくく、さらに更新タイミングにズレが生じてしまっていることが挙げられます。

「PCR検査数」に関する用語としては次の4つを区別すべきです。

(a-1) 検査人数(保険適用の検査を除く
PCR検査を受けた人の数。ただし、医療機関での保険適用の検査を受けた人の数は含まれない。東京都から発表される。

(a-2) 検査人数(保険適用の検査を含む
医療機関での保険適用分を含むPCR検査を受けた人の数。東京都から発表されない。

(b-1) 検査件数(保険適用の検査を除く
PCR検査の数。ただし、医療機関での保険適用の検査を含まない。同一の対象者について複数の検体を検査する場合があるため(a-1)とは一致しない。東京都から発表されるが、毎週金曜日に前週木曜日から当該週水曜日までの分が(b-2)に上書きされる。

(b-2) 検査件数(保険適用の検査を含む
医療機関での保険適用分を含むPCR検査の数。同一の対象者について複数の検体を検査する場合があるため(a-2)とは一致しない。毎週金曜日に前週木曜日から当該週水曜日までの分が(b-1)への上書きの形で東京都から発表される。


つまり、東京都からの発表に基づいて検査数の話をするとき、”検査人数”を用いる場合は保険適用の検査が含まれない(=少ない)ことになりますし、”検査件数”を用いる場合はタイミングによってはその数が大きく変わってしまいます。


PCR検査の陽性率


陽性率は陽性者数/検査人数により表されますが、PCR検査の陽性率そのものは東京都から発表されていません。分子にあたる東京都発表の陽性者数(=日々報道される感染者数)は次のように説明されています。

(c) 陽性者数
医療機関での保険適用分を含めたPCR検査で陽性となった人の数(つまり、(a-2)のうち陽性になった人の数)。

したがって、陽性率算出に当たって最も適切な分母は(a-2)ということになりますが、これは東京都から発表されない数値なので、以下の3つの算出方法を考えます。

陽性率①=(c)陽性者数÷(a-1)検査人数(保険除)
(a-1)も(c)も東京都発表のデータですが、両者の間で医療機関での保険適用の検査の扱いに違いがあるため、陽性率①は真の陽性率よりも大きく見積もられてしまうことになります。

陽性率②=(c)陽性者数÷(b-2)検査件数(保険含)
(b-2)も(c)も東京都発表のデータであり、両者の間に医療機関での保険適用の検査の扱いに違いはありません。しかし、(b-2)では同一対象者の複数の検体が別々にカウントされることに加え、一度陽性になった人の陰性確認の検査も含まれるようなので、陽性率②では真の陽性率よりも小さく見積もられてしまうことになります。

陽性率③=(c)陽性者数÷(a-2)検査人数(保険含)
陽性率の定義に最も即した式ですが、(a-2)が東京都から発表されていないため推定による誤差が生じます。ここでは保険適用の有無によって1人あたりの検査件数は変化しないと仮定し、次のように求めることとします。
 (a-2)=(b-2) / ((b-1) / (a-1))
次章に記載するPCR検査数の実データからの考察から、(b-1) / (a-1)=1.36で一定として扱います。


いずれも誤差を含んでおり、真の陽性率はより詳しい情報がない限りわかりません。ただ、真の陽性率は陽性率①と陽性率②の間で、陽性率③に近い値であることは確かだと思われます。



また、短期間での陽性率を求める際には検査日と結果が出る日が異なることにも注意が必要です。PCR検査の結果が出るまでには1日~数日かかる(厚労省のQ&A参照)ため、陽性率を同日の陽性者数と検査件数から算出するのは適切ではありません。

事実、土日の検査件数が少ないため、月曜日の感染者数はその日の検査件数に関わらず他の曜日に比べかなり少なくなっています。

しかし、陽性者の検査日の情報があるわけではなく正確な対応をとるのは不可能なので、疑似的に以下の式で陽性率を定義することにします。検査結果が出るまでの最低限のタイムラグを考慮して陽性者数と検査件数を1日ずらすとともに、1週間の移動平均として扱うことで傾向をつかみやすくしています。

X日の陽性率=(X-6~X日の陽性者数)/(X-7~X-1日の検査数※)

※ 検査数は陽性率①では(a-1)検査人数(保険除)、陽性率②では(b-2)検査件数(保険含)、陽性率③では(a-2)検査人数(保険含)


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2. PCR検査数および陽性者数の推移


※2020/05/08 11:00更新のデータを使用

東京都から発表される(a-1)検査人数(保険除)、(b-1)検査件数(保険除)、(b-2)検査件数(保険含)、(c)陽性者数をグラフにすると次のようになります。検査"人数"と"件数"、また、保険適用の検査を"含む"か"除く"どうかで大きな違いがあることがわかります。

tokyo_test_200508.png
※(c)陽性者数のみ右側の軸で表しています。
※(b-1)検査件数(保険除)は4/16より記録を始めたので途中からのグラフになっています。



いずれのグラフも曜日による変動が大きくて少し見づらいので、7日間の移動平均(その日を含む1週間の平均値)で示します。

tokyo_testave_200508.png

保険適用分が含まれない検査人数は頭打ち、検査件数は4月末に少し増加していますが、保険適用分を含めた検査件数は4月末までずっと増加し続けていました。ゴールデンウィークに入ってからは減少気味ですが、それでも1日平均1000件近くは行われているようです。

他方、陽性者数は4月は中旬以降ずっと減少傾向(5月に入って横ばい)です。


なお、(a-2)検査人数(保険含)を求めるに当たり保険適用の有無で変化しないと仮定した"1人あたりの検査件数"についてですが、保険適用分を含まない(a-1)検査人数と(b-1)検査件数では確認している期間全日において(b-1)/(a-1)=1.36前後でほぼ一定になっています。正確なことは詳しい情報がなくわかりませんが、保険適用の検査でも1人あたりの検査件数は同等で一定として扱うこととします。



3. PCR検査の陽性率推移


※2020/05/08 11:00更新のデータを使用

前半で説明したPCR検査の3つの陽性率の推移を陽性者数(=感染者数)とともに示すと次のようになります。

tokyo_ratio_200508.png

※陽性率の説明(再掲)
 陽性率① 保険適用の検査を除く検査人数に対する陽性者数の割合
 陽性率② 保険適用分を含む検査件数に対する陽性者数の割合
 陽性率③ 保険適用の検査を含む検査推定人数に対する陽性者数の割合
 陽性者数はいずれも保険適用の検査を含む


4月前半は陽性率①が右肩上がりで一時60%を超え、一方の陽性率②は15~20%で推移していましたが、4月後半はいずれも減少傾向でした。5月に入ってからは少し増加しています。

最も確からしいと考えられる陽性率③は、ピーク時は30%近くありましたが最新の5/8時点で12%まで下がってきました。

緊急事態宣言による自粛の効果は確実に表れていますが、今後ゴールデンウィークの影響がどうなるか気になるところです。


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4. 年齢別の感染者数推移


※2020/05/08 11:00更新のデータを使用

年代別の感染者数について実数累計の推移を示します。

tokyo_age_200508.png

20~50代が上位で、4月に入ってからは同じような推移になっています。4月前半に比べると感染者数は抑えられていることもあり、全体的な傾きが小さくなっています。

対して、80代と90代の4月下旬以降の傾きは他の年代に比べ少し大きく見えます。


年代別の推移をより公平に比較するため、人口比を考慮して各年代10万人あたりの感染者数推移を示します。各年代の人口は令和2年1月の住民基本台帳の人口を用いています。

tokyo_ageperpop_200508.png

人口比を考慮すると20代~70代は比較的近いトレンドになっていることがわかります。4月後半に多く報道されていた施設等でのクラスター感染の影響なのか80代と90代以上の増加が非常に目立っているのが気になるところです。


緊急事態宣言が5月末まで延長されました。年代別のトレンドがどのように変化するか引き続き注視していきたいと思います。


5. まとめ


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の東京都におけるPCR検査の陽性率および年代別の感染者数の推移をまとめてみました。

不定期にはなると思いますが、今後もデータを更新していきたいと思っています。



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