
一部界隈で話題(?)になった医学部東京都地域枠入試への出願資格。
家庭教師をさせてもらっている生徒さんの中に出願資格を詳しく調べている方がいて、僕自身勉強になったのと関心がある方々にとっても参考になりそうということで紹介したいと思います。
※ご本人から内容掲載の許可は得ています。
目次
・東京都地域枠入試の概要
・東京都地域枠入試の出願要件
・都内に居住実態があるとは?
・まとめ
東京都地域枠入試の概要
東京都地域枠入試は将来医師として東京都の地域医療に従事する強い意志を持つ学生の選抜です。
都が指定する複数の大学で実施され、合格して入学すると東京都から奨学金を貸与(要件を満たせば返還免除)されます。
令和4年度(2022年度)入試では、
・順天堂大学(10人)
・杏林大学(10人)
・日本医科大学(5人)
の募集があります。
東京慈恵会医科大学での募集は令和3年度(2021年度)をもって終了になったそうです。
奨学金の額など詳細はこちらから↓
東京都地域枠入試の出願要件
東京都地域枠入試は誰でも出願できるわけではありません。東京都の地域枠入試のページには出願要件として以下のように記載されています。
次の1から3までの要件をすべて満たす方が対象です。
1 出願時に、次のいずれかの要件を満たす者
ア 東京都内に住所を有し、かつ高等学校等を卒業した者(卒業見込みを含む。)
イ 都内の高等学校等を卒業した者(卒業見込みを含む。)
2 各大学が実施する「東京都地域枠入学試験」に合格したとき、当該大学への入学を確約できる者(※合格したときは入学を辞退できません。)
3 医師免許取得後、小児医療、周産期医療、救急医療、へき地医療のいずれかの領域で、東京都が指定する医療機関において9年間(初期臨床研修期間を含む。)以上の期間、医師として従事しようとする意志を有すること。
要するに、東京都に縁があって、合格したら確実に入学してくれて、卒後ちゃんと東京都の地域医療に貢献してくれる人ってことです。
ちなみに、出願時は住民票の提出が求められています。
さらに、大学によっては1のアに以下のような注が加えられています。
「住所を有する」とは、住民登録上の住所に居住実態があることを指します。都内の住所に住民登録されていても、実際には都内に居住していない場合は対象外です(全寮制の都外の高校に在学中など)。
出願のために住民票だけ東京都に移すのはダメですよってことですが、例えば(あくまで“例えば”ですよ)、
東京都と他県を行き来していて他県の割合のほうが明らかに多い場合は「居住実態がある」とみなされるか?
というのは気になるところです。
都内に居住実態があるとは?
ここからが生徒さんに教えてもらったことですが、出願時の居住実態の確認方法について次の2ヵ所に問い合わせたそうです。
①東京都地域枠のある某大学(入試問合せ窓口)
②東京都(地域枠入学試験取扱い窓口)
※問い合わせ窓口の具体的な名称、連絡先はここでは伏せさせていただきます。関心がある方は個別に連絡いただければお伝えします。
①某大学からの回答(抜粋)
ご記載いただきました入試方式の出願資格については東京都地域医療医師奨学金の申込資格に準じております。
不明な点がございましたら、お手数ですが東京都にお問合せを頂けますと幸いです。
大学では出願資格について提出書類(住民票)以上のことは細かく確認しないということのようです。
②東京都からの回答(抜粋)
お一人暮らしであれば、住民票の住所とご自身の名前が記載された公共料金の支払い明細を数ヶ月分提出していただくことが多いです。
出願のために直前に住民票だけ東京都に移すのはダメですが、先ほど例として挙げた‟東京都と他県を行き来していて他県の割合のほうが明らかに多い場合”であっても、東京都の住民票と公共料金の明細が準備できれば居住実態有りとして認められうるということになります。
それでいいの?と思わなくもないですが…
まとめ
医学部東京都地域枠入試、特に出願要件となっている住所と居住実態について紹介しました。
今回の居住実態の話に限らず、募集要項等の文面だけから想像される内容と実際が異なるケースはいくらでもありうると思います。勝手な解釈や想像でせっかくの機会を失うのはもったいないので、疑問点や相談事項は直接窓口に問い合わせをしてみることが大事ですね。
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