【大学受験】記述模試の難易度・母集団の比較

2018/03/25
記述模試は各予備校で実施していて本当にいろいろな種類があります。

それぞれの模試の特徴を知っておくことは、受ける模試を選ぶ際や結果(得点・偏差値・判定)を見る上で非常に重要です。

いくつかの模試の母集団や平均点、標準偏差を、実際のデータを使って比較してみたいと思います。

比較したのは9~11月に実施された以下の5つの模試です。

・第2回駿台ベネッセ記述模試(2016年10月)
・第2回駿台全国判定模試(2016年9月)
・第2回駿台全国模試(2016年9月)
・第3回全統記述模試(2016年10月、河合塾)
・全統医進模試(2015年11月、河合塾)

これらの他には代ゼミの総合学力判定模試や東進の難関大本番レベル模試がありますが、受験者数が少なかったり、平均・標準偏差が出ていなかったりするため比較には含めていません。

また、比較に用いたのはすべて英語(200点)・数学(200点)・理科2科目(各100点)のデータですので、文系や国語を含む理系の状況とは多少異なる場合があります。



1. 受験者数の比較


受験者数を並べてみるとこのようになります。

moshi_ninzu.png


こうしてみると駿台ベネッセ記述模試と全統記述模試の受験者数が圧倒的ですね。

しかし、受験者数が多い模試を受ければいいかというと、そういう訳ではありません。受験者層も重要になってきます。



2. 受験者層の比較


各予備校のホームページには、模試の特徴について次のように記載されています。

●駿台ベネッセ記述模試
国公立大から私立大・短大までの完全対応の30万人以上参加の最大規模の記述模試

●駿台全国判定模試
難関国公立大~私立大への全国の受験生を対象にした基礎から発展まで幅広い出題

●駿台全国模試
難関国公私立大学対策のためのハイレベル記述模試

●全統記述模試
記述・論述力が要求される国公立大二次・私立大入試に、十分対処できるだけの学力を養成・確認するのに格好の模試

●全統医進模試
国公立大(前期、一部後期を含む)医学部医学科と慶應義塾大学の医学部医学科を志望する受験生を中心とした本番に近いハイレベルな母集団


以上の受験者層をまとめるとこのようなイメージでしょうか。

moshi_bosyudan.png



3. 平均・標準偏差の比較


5つの模試について、偏差値50(平均点)、60、70となる英数理の合計点数を並べてみるとこのようになります。

駿台全国模試、全統記述模試、全統医進模試については、自分が過去に受けた際の点数もあわせて表示しています。

moshi_nannido.png

※全統記述模試は総合得点での平均・標準偏差が提示されないため、教科毎の数値からの推定値です。また、自分の過去の結果は受けた年度や時期が異なるため、あくまで比較のための参考情報です。


受験者層が異なるため、駿台ベネッセ記述模試は偏差値が高く出やすく、逆に駿台全国判定模試は偏差値が出にくいことがわかります。

医学部受験生は駿台全国模試、全統記述模試、全統医進模試を受けることが多いと思いますが、平均点や自分の結果で見ると、問題難易度については次のことが言えそうです。

全統記述模試 < 全統医進模試 ≦ 駿台全国模試

出題傾向が異なるので、人によっては問題との相性で結果が異なるかもしれませんが…



4. 最後に


これまで見てきたように、記述模試は模試によって受験者層や難易度が大きく異なります。

自分の学力や目的に合わせて、適切なレベルで適切な時期に模試を受けると効果的です。


こちらの記事では、模試を受ける目的や復習の仕方について書いています。


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